やっぱり自由でいたい

上場IT企業を辞めて安定と引き換えの自由(と不安)を謳歌する記録の一部始終

メルカリとファッションと投資とビジネスモデル

 

遅ればせながら、本日初めてメルカリに不用品を出品してみた。

オシャでイケてて3度の飯よりフォトジェニック!なインスタグラマー的若者にとっては今更ながらの話で申し訳ないが、メルカリはんぱない。やばい。よもや畏敬の念を禁じ得ない。

勿論、購入はとっくに経験済みなのだが、気軽にポチれば良い購入と違い、写真を撮り商品説明文を書き、やれメッセージの遣り取りだ発送手続きだのを考えると、時間の方が価値が高いわっっっ!となり、今日まで手を出さずにきた。

 

が、今は違う。

なんてったって私は今ニート鳥のように自由なフリーランス

f:id:sakitan3:20171012010019j:plain

 

時間コスト?費用対効果?

今の私の辞書に、そのような言葉は無い。

ドラクエ11もやり放題だぜっ!ひゃっほうーーー!

 

ドラクエに比べれば、要らないものを売るために費やす時間の費用対効果は100と言い切っても過言では無いだろう。(注:ドラクエに価値がないと言っているわけではありません。生粋のドラクエ好き女子です。女子って言っていい年齢かどうかは別の話です。)

 

さて、早速ではないがメルカリの何が、このドラクエ女子な私に畏敬の念を抱かせたのか?理由は3つある。

 

① 圧倒的な速さ

いやーーー、びっくりした。

出品1分で質問やら価格交渉のコメントが来る。

えっ?早くね?次の出品の作業中だし、まっ、これ終わってからでいっかーとヤフオクとか言う旧石器時代と同じ感覚で居たところ、、、

なんと、、、

えっ?あれっ?質問コメしてきた人達と違う人から購入しましたメッセが来てる。えっ何?購入した人が先にメッセするの?落札頂きありがとうございます!から始まるんじゃないの?!?!

 

ものの5分で5万前後(直営店で新品購入の場合20万前後)のブランドバッグが売れる世界、それがメルカリ。はんぱない。

 

② 手数料10%

本日、7商品出品し、うち既に4商品をご購入頂き、金額にして約14万円也。

つまり、本日私は1万4千円をメルカリにお布施をしたと言うことになる。

クレジットカードなどの決済手数料は、あの規模であれば2%は容易に切ってくる筈だ。ざっと原価率を想像してみたが、プロ達の巣窟と化したヤフオクを維持運営するよりも余程効率が良いことは間違いないだろう。

なのに手数料10%?!ヤフオクって確か5%くらいじゃなかったっけ?

oh...8.64% とは...値上げしたんだ。。

何を理由にしたのかは知らないが、この施策は果たして効果があったのだろうか?

ヤフオクにもフリマあります!」とか言う渾身の自虐ギャグをかましてやったぜ!と中の人は思っているのだろうが、ハッキリ言って震えが止まらない。

 

③ UX is King

あとマーケティング

小生は、これまでの職業柄、ありとあらゆる(は嘘だけど)新しいビジネスモデルをキャッチアップしては研究する機会を頂いてきた。

当然、メルカリに関しても持論を展開してきている。なんなら、この間ブン投げたプロジェクトの予算承認を取るためのプレゼンにもメルカリの成功要因を分析し、要素のみ切り出して我々のサービスの場合は...なんてことをやったのは記憶に新しい。

 

だが、だ。

私は全くメルカリの破壊力を認識していなかったと言うことに、やっと本日気付いたのである。

 

昨日までの私の分析によるメルカリの成功要因はこうだ。

 

① 価格よりも気楽さ

ヤフオクが登場して早十数年経つと言うのに、その間いわゆる公園などで行われるフリマは何ら影響を受けることなく存在し続けていた。

フリマの価値とは何か?

イベント感?も勿論あったであろう。実際、友人数人とワイワイガヤガヤお店屋さんゴッコ。楽しくないわけがない。

それよりも何よりもヤフオクと比べ圧倒的に気楽だったのである。

プロ達の巣窟と言う進化を選んだヤフオクは、華麗にフォトショを使いこなし、相場価格を調べつくした上で絶妙な価格設定をし、儀礼に満ち満ちたコメントをメールベースで行う必要がある。

気軽に出品など夢のまた夢。

そんな、フリマ好き消費者の心理と言うIT界の大物には拾いようのないテーマで、Amazonのワンクリック注文程ではないものの、なんだかとっても簡単ステップ♡を「スマホ」と言うデバイスで追求し、リアルなフリママーケットをリプレイスすると同時に新たなマーケットを作ったのである。これにつきる。

 

② テラスハウス×若者というアーリーアダプターマーケティング

テラスハウスの視聴率はご存知だろうか?

メルカリが、てっちゃんと美和子をCMに起用した当時のテラハの視聴率は、たった2%台である(このあたり、記憶が曖昧ではあるが少なくとも1桁%台だったのは間違いない)。

おそらく、2人のギャラは所謂CMの女王的な女優さんの数十分の一だったのではないか?

だが、当時のテラハの熱狂は、視聴率では全く計れない類のものではあるものの、確実にそこにムーブメントとして存在していたのだ。かく言う私も毎週楽しみで楽しみで...

 

つまりメルカリは、フリルというライバルと戦う手段として、ノンビリPDCA回してサービス良くすればイイよね!などと言うヌルい戦略は取らず、さっさと大型資金調達をし、素晴らしく費用対効果が高いマーケティングにガッと投下したわけである。

 

この①と②は、メルカリの成功要因として間違っているわけではない。

だが、絶対に欠けてはいけない要素として「速さとそれを実現する為のUX」が欠けていたのだ。

初期の初期こそ速さ(=それなりのトランザクション)を実現することは容易では無かったものの、このインスタライクなUI上で次々と出品されてはSOLDOUTになるという躍動感。

今、買わなければ他の誰かに買われてしまうかもというゲーミフィケーション的要素。

これが抜けてはダメなのである。ヤフオクには元々「即決」という出品モードがあったではないか。

ユーザーは、ただ即決したいのでは無い。

新しい買い物エンターテイメントを楽しみたいのであり、メルカリはそれが緻密にデザインされた全く新しいサービスなのだ。

 

なーーーんて、熱弁を語っていたらもう3時w

 

本当は、やっぱりファッションも資産価値のあるブランド物を持っておくのはリスクマネジメントの一つよね~

最近のファストファッションは優秀過ぎて、気付けば全身ZARA女になっていたりするのだけれど、ハイエンドブランド界隈もしっかりキャッチアップしておこうと誓いました。ありがとう。メルカリ。

..